昭和の頃の地元をベースにした話。

 稲荷神社としてはかなり大きな、地元では超有名な由緒正しい神社――の裏に、忘れられたように残された狭い竹藪の中にある小さな祠。
 信心深いおばあちゃんに頼まれて掃除とお供えをしに行くヒロイン(仮名:佐白くるみ)。そこで異形なものと対峙する同級生の少年。(小学生くらい)

※苗字は『塙』。稲荷の宮司と同じ苗字だが、血縁関係は特にない。元は『茅の輪』からきている。下の名前は出さないかもしれない。物の怪にフルネームを知られないため。
※『塙』とは小高い土地。狐は山に棲む。茅の輪の元になる茅はどこにでも生える雑草だが、河川敷で栽培される事が多いらしい。川沿いの土地の名字は『圷』。塙とは対義語にあたる。元の名字や出生をガードする設定もありだし、後々『圷』少年が出てきてもいい。(軽めのテイストにするなら『圷』少女でライバルでも)

 少年に「逃げろ」と言われたが、元々足が遅いし、竹の根に足を取られてうまく走れない。
「無理だよ、追いつかれるよ」
「そんな事言うな! 言霊になる。逃げ切れるって信じて走れ!」
「信じられないよ!」
「お前、オレのこと好きなんだろ?! だったらオレのこと信じて走れ!」
 頭が真っ白になるヒロイン。誰にも話したことが無かったし、誰にも知られていないと思ってたから。まさか本人に知られていたうえに、それを指摘されるなんて。
 次第に大きくスピードをあげ襲い掛かる物の怪。とっさに少年にしがみついて叫ぶ。
「じゃあ、信じるよ! 塙くんは私をおぶって逃げ切れる!」
「はぁ? ふざけんな!」
 首に腕を回してしがみつく。
「……しっかりつかまってろ!」
 竹藪を抜けるまで、えらく時間がかかる。目を閉じているので分からないが、こんなに広かっただろうか?ヒロインの足をおさえていた少年の手が離れ、地面を叩く音が聞こえる。少し背中が大きくなった?

 呼ばれて気づくと竹藪の外に出ていた。見ると少年の手足が真っ黒に汚れている。
「ねぇ、四つん這いで走ってた?」
「…………咄嗟だったからな」
「なんだかお猿さんみたいだねぇ」
「サルじゃねぇ」

※実際には先祖に狐の血が混じっているという言い伝えがある。

 おばあちゃんの裏にある空家だと思っていた家に、少年の祖父が住んでいる。(昔、ヒロインはそこに住んでいたような記憶があるのだが、おじいさんはずっとそこに住んでいるという)
 祖父は「つなぎや(仮)」をしている。少年は跡継ぎ候補。つなぎやは物の怪や動物と、人間の間の橋渡し。通訳のようなもの。
 ヒロインは良く理解できないので「え? 犬神様みたいなもの?」「コックリさん?」「狐憑き?」とか聞いて怒られる。
 お稲荷さんと土地が近いが、全く関係ないらしい。お稲荷さんは神様で、神の使いであるお狐様とも違う。もっとずっと格下で、地元に密着した『職業』らしい。
 誰から(人か動物か物の怪か)報酬がでるのかも、この時点では不明。

※少年は犬が苦手。少年曰く「犬の方がオレを嫌い」。しかし狐はイヌ科らしい。
※狛犬とお狐様との関係?? 狛犬はイヌではない。
※現時点で『茅の輪』と『つなぎや』の接点が無い。アイテムに茅を使う? 祓いたい訳ではないので、魔除けとなると使いづらい。

 少年は半人前で修業中。祖父はヒロインを一目見て、少年に想いを寄せていることに気づく。つなぎやは人語を使えない物との間を取り持つ仕事なので、気持ちを眼でとらえる能力に長けている。
 しかし少年には「お前の場合はそんな能力無くたって丸わかり」と言われてしまう。
 精神面が不安定で、まだ異形なものと上手くコンタクトが取れない少年のサポートを頼まれる。「肝要なのは信じる心」

 始めて二人での物の怪探し。竹藪の前で怖くてすくんでしまうヒロインに手を差し出す少年。途端、恋心で頭がいっぱいになって、気持ちが真っ白になる。
「うわ、何だこれ?」
 小さな声で呟く少年。みると眩しそうに何度も瞬きし、目をこすっている。ヒロインの視線に気が付くと「何かいた訳じゃないから」と言って中に入っていった。
 物の怪は前回会った時は恐ろしそうだったのに、今回はずっと小さくてゆっくりした動きにみえる。少し近づけた。

※少年は(犬以外の)動物とは大体心を通わせられる。物の怪はそれぞれが独特で難しいのだそう。

 少年のレベルが上がってヒロインも慣れてきた頃、おじいさんから「もうサポートは終了」と言われる。
 信じる心がつけば能力は飛躍的にあがる。が、それ無しでも出来るようにならなくてはならない。自分で自分を信じきれしなければ、真の能力とは言えない。
 ヒロインはまだ幼いから今は一途に少年を信じられるが、人の心は移ろいやすいものだし、縛るつもりもない。
 ヒロインが少年を好きであり続けるのは勝手だが、それ以上の手出しは無用だと。

 元々ヒロインに特殊な力がある訳ではない。ただ信じる気持ちが大きかっただけ。それは別の誰かでも可能だし、むしろその大きすぎる力に頼る事に慣れてしまった少年が、その心が揺らいだ瞬間に加わるダメージの方を祖父は心配している。
 そろそろ独り立ちするために、誰からも信じられなくても独りで立てる力を備えないと駄目だ。

 ヒロインにしたら、少年を信じる気持ちが変わる事は無いと思っているのだけれど、幼さのせいにされたら言い返せない。
(私に何か特別な力があったら、もっと役にたって一緒にいられたかな?)
 またおばあちゃんに頼まれて、今度は一人で祠に向かう。そこには既に綺麗にされた祠とお供え物。
(私ひとりじゃ、物の怪も見れない)←物の怪にあだ名をつける?
 でもここにいるんだよね、と思ったら少しあったかい気がする。

※祠は物の怪のものではなく『つなぎや』の目印。妖怪ポストみたいなもの。

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 少年は、学校では大人しい、というか穏やかに過ごしている。
 つなぎやの時とは別人のようだといい。
 学校での態度は『表の顔』だが、同時に心をオフにしている状態でもある。
 知りたくない事も感じ取ってしまうので、あえて人の心と触れ合わなすぎないようにしている。
 それなのにヒロインの気持ちを感じ取ってしまったのは、相当分かりやすいのだ。その分裏表がない。
 裏表のない人間は、少年にとって居心地がいい。心のコントロールをする必要がないから。
 しかしヒロインの場合は少年にまっすぐ向かっているので心の度合いが強すぎる。
 声に例えたら、常にフルボリュームで叫んでいる感じ。
 なので、少年はつい振り回されてしまう。

 手を繋いだとき、視界が真っ白になった。
 それまで周囲に漂っていた雑多な気配が一気に消えて、色も音もない世界。
 それは恐ろしいものではなくて、100Mのスタートダッシュを切る瞬間のような、集中力の研ぎ澄まされた感覚の世界。
 確かに何でも出来る気がしたし、何でも受け入れられる気がした。
 でもそれは自分の力ではない。

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 同級生なので、完全に離れる事はできない(席が隣でもいい)
 お互いの様子を見ながら、距離を計る。
 どこかで『つなぎや』とは別の状況で手を繋ぐ機会がある。
 真っ白い世界から色がつく。
 ヒロインの心境の変化か、少年の思考が混じった色か、ストーリーの進行によって変化。

 大筋の展開はベタに少年の成長とヒロインの恋バナ。
 人間同士の関わり合いはしんどいので、少年は動物や物の怪側に気持ちが揺れがち。
 しかし人間なので、気持ちが傾きすぎるとそれはそれでしんどかったり。
 ヒロインとは恋愛感情というよりも、次第に『懐く』と言う感じ。お母さん扱いのような。
 ヒロインも祖父もそれに気づいて傷ついたりひき離したり。

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(仮案)
 ラスボスは神社のお狐様。
 少年に両親の影が見えないのに気づくヒロイン。
 少年が思い込んでいた自分の生い立ちは嘘。実際には祠に捨てられて死んだ人間の子供と狐の魂を祖父がつないだ(ウルトラマン方式??)最初に現れた物の怪(あだ名仮:くろちゃん)は、その余り。仲良くなったあとは少年の式神のような存在になっているが、元々はひとつのものだったので、つなぐ必要があった。 
 『つなぎや』は神と人との間にたつ神使であったお狐様に憧れた狐がはじめた『真似事』で、お狐様はそれが気に入らない。『真似事』のうちは大目にみていたが、命にかかわる事をしたのでおこがましいと怒られた。
 神様は最初出張ってくる事もないと思っているが、神使大暴れで収集がつかなくなったら諫めにくるかもしれない。

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 あんまり場所が特定できちゃうのはマズイ?
 できたら祖父と感情が表にでる時の少年には、訛りがあったほうがいい。






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 ベッタベタでおたくな話なせいか、思いついたら楽しくて楽しくて、一週間くらい頭の中がこれでいっぱいになってしまいました。
 このまま勢いに任せて書いちゃえば自分は楽しいんだろうけど、あまりにも話がベタすぎるので少し冷却中。
 ベタな話はオリジナル性出すのが難しいですよね。